朝が変わると1日が変わる、の根拠と、その限界
「1時間早く起きる」より、
「15分早く外に出る」のほうが、まだ続きます。
「15分早く外に出る」のほうが、まだ続きます。
朝の使い方を変えると1日が変わる、とよく言われます。関連を示した研究はあります。ただし、言えることの範囲は思ったより狭いです。
出典
Siraji ほか (2023) Scientific Reports。マレーシアの成人301名(平均28±9歳)を対象にした生態学的瞬間評価。屋外で過ごす時間の増加は、ポジティブ感情の高さと関連(直接効果係数0.33)。朝から日中の照明環境も、朝の気分と関連(同0.14)。
https://www.nature.com/articles/s41598-023-39636-y
注意
これは横断的な研究で、因果関係ではありません。また対象はマレーシアのサンプルで、日本にそのまま当てはまるかは分かりません。「朝日を浴びれば元気になる」と断定できる研究ではありません。
「早起き」を目標にすると、たいてい失敗する
理由は単純です。早起きは結果であって、行動ではないからです。行動として決められるのは「何時に布団に入るか」「起きてから何をするか」のほうです。
そして、習慣がつくまでの日数には、大きな個人差があることが分かっています。
出典
Lally ほか (2010)。行動の自動性が95%に達するまでの日数は中央値66日、範囲18〜254日。96名が登録し82名がデータを提供、そのうち曲線がよく当てはまった39名から算出された数字です。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ejsp.674
18日で身につく人と、254日かかる人がいます。
3日でやめた自分を、数字で責める根拠はありません。
3日でやめた自分を、数字で責める根拠はありません。
小さくして、きっかけに結びつける
効果が確認されているのは、日数の目標ではなく「もし〜なら、〜する」の形のほうです(Gollwitzer & Sheeran 2006、d=.65)。
- ×「明日から早起きする」
- ○「目が覚めたら、カーテンを開けて、窓の外を10秒見る」
ランディーには、朝のカードがあります。「いつもより1時間早く外に出て、朝の色を見てみない?」——そして「もしも」にはこう書いてあります。「1時間が無理なら、15分だけ早く出る。それでも色は違います。」
逃げ道つきの計画のほうが強い、という上の研究に、そのまま合わせてあります。