Random dayランディー 1枚ひく
決められない

休日、なにするか決められないのはなぜ?——「決めない」で抜ける方法

決められないのは、意志が弱いからではありません。
「なにを」ではなく「いつ・どこで・どうやって」が
決まっていないからです。

休みの日。時間はある。やりたいことも、たぶんある。なのに気づいたら夕方になっている。

この現象について、いちばん確実な研究があります。実行意図(implementation intention)です。

「やろう」ではなく「いつ・どこで・どうやって」

目標を立てるだけの人と、「もし X の状況になったら、Y をする」という形まで決めておいた人を比べると、後者のほうがはっきり行動が起きやすくなります。

出典 Gollwitzer & Sheeran (2006) のメタ分析。94件の独立した検証、のべ8,461名。全体の効果量は d = .65(95%信頼区間 .60〜.70)。中〜大の効果にあたります。内訳では「目標追求を始めること」が d=.61、「じゃまなものを遮断すること」が d=.77 でした。 https://www.researchgate.net/publication/37367696

ここで効いているのは、やる気ではありません。決める作業を、事前に済ませてあることです。当日の自分は、決めずに動くだけでよくなります。

「散歩する」では足りません。いつ・どこで・何を・どうやってまで書いてあるかどうかで、実際に起きるかが変わります。

足りない例と、足りている例

後者は、迷うところが1つもありません。迷いどころを全部つぶすと、行動は始まります。


「選択肢が多いと決められない」は、実は揺れている

ここで、多くの記事が「ジャムの実験」を出してきます。有名な話なので、正確に書きます。

出典 Iyengar & Lepper (2000) Journal of Personality and Social Psychology。スーパーの試食ブースで、ジャムを6種類並べた条件では試食者の30%(104人中31人)が購入。24種類並べた条件では3%(145人中4人)だけでした。 https://www.academia.edu/56819734/
ただし この「選択肢が多いと選べなくなる」という一般化には、強い反証があります。Scheibehenne ほか (2010) Journal of Consumer Research は、公表・未公表あわせて50件の研究(63データ点、のべ5,036名)をメタ分析し、選択過多効果の平均効果量は d = 0.02(95%信頼区間 −0.09〜0.12)=ほぼゼロだったと報告しています。 http://chernev.com/wp-content/uploads/2017/02/ChoiceOverload_JCR_2010.pdf

つまり「選択肢が多いほど不幸になる」は、研究の集積では支持されていません。ジャム実験は1店舗・1商品での結果です。

ついでに、よく引かれる「決定疲れ(裁判官が休憩前になると仮釈放を認めなくなる)」の研究も、統計的な見せかけではないかという批判が出ています(Glöckner 2016)。効果量が異常に大きいこと、判決の長さによる打ち切りが起きうることが指摘されています。

「選択肢が多いと決められない」は、
言われているほど確かではありません。
確かなのは、手順まで決まっていると動きやすいほうです。

だから、ランディーは1枚しか出しません

ランディーが候補を見せないのは、「選択肢が多いと不幸になる」からではありません。そこは、上のとおり揺れています。

理由はもっと単純です。候補を見せると、そこから「決める作業」が始まってしまうからです。決める作業を消すのがいちばん確実なので、最初から1枚だけ渡しています。

そして、出てくる1枚には必ず4つの手順が書いてあります。いつ・どこで・何を・どうやって。これは Gollwitzer の研究にそのまま合わせた形です。

気に入らなければ引き直せます。1日2回まで無料で、「やった」を押すと2回に戻ります。引き直しても構いません。ただし、引き直した先も1枚だけです。

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