「21日で習慣になる」はウソ。本当は中央値66日、しかも18〜254日
平均を目標にすると、たいてい間に合いません。
「21日つづければ習慣になる」。よく聞きます。これには研究の裏づけがありません。
出どころは、1960年の書籍『Psycho-Cybernetics』(Maxwell Maltz)です。整形手術を受けた患者が新しい顔に慣れるまで、おおよそ21日かかった——という臨床上の観察でした。追跡調査でも臨床試験でもありません。それが独り歩きしました。
実際に測った研究の数字
ここは正確に読む必要があります。
- 66日は「平均」ではなく「中央値」です
- 96人全員ではなく、曲線がよく当てはまった39人(約4割)から出した数字です
- そしてなにより、18日から254日まで開いています。14倍近い差です
「人によって全然ちがう」ほうです。
だから「66日つづけよう」と目標を立てるのも、あまり意味がありません。あなたが254日側の人だった場合、66日目に「自分はダメだ」と結論を出してしまうからです。
効くとわかっている型は、ひとつだけ
日数の目標より、はっきり効果が確認されているものがあります。if-then(もし〜なら、〜する)の形にしておくことです。
使い方は簡単です。
- ×「毎日ストレッチする」
- ○「風呂から上がったら、床に座って太ももの裏を30秒のばす」
後者には、きっかけ(風呂上がり)、場所(床)、動作(太ももの裏を30秒)が入っています。当日、判断するところがありません。
もうひとつ。「できなかったとき」も決めておく
Gollwitzer のメタ分析で効果がいちばん大きかったのは、じゃまが入ったときの対処を決めてある場合でした(d=.77)。つまり「うまくいく前提の計画」より、「うまくいかない日の逃げ道つきの計画」のほうが強いということです。
ランディーのカードには、200枚すべてに「もしも」が書いてあります。できない事情があったときの、代わりの案です。
- 「曇っていたら、そのまま曇り空を1枚撮って帰る。それでこのカードは達成」
- 「豆苗が無ければ、飲み終えた茶碗にネギの根を5センチ立てる」
- 「送る相手が浮かばないなら、自分のメモに1行だけ残しておく」
逃げ道は、甘やかしではありません。効果量がいちばん大きかった部分です。
ランディーは「習慣アプリ」ではありません
正直に書いておきます。ランディーには、連続記録も、通知も、リマインダーもありません。毎日開かせる仕掛けを、意図的に入れていません。
入れれば数字は伸びます。ただ、それをやると「開かない日=失敗した日」になります。習慣化を助けるはずの道具が、罪悪感の発生装置になる。そこは避けました。
できるのは、開いた日に、迷わず1回ぶんの行動が始まるようにしておくことだけです。18日で身につく人にも、254日かかる人にも、同じように1枚を渡します。