Random dayランディー 1枚ひく
設計の話

通知を出さないと決めた話

開かない日を、
失敗として記録しない。

ランディーには、通知もリマインダーもありません。通知が短い期間の再訪を増やせることは分かったうえで、入れていません。

通知は、短い期間の再訪を増やせる

職場向け健康アプリで行われた試験では、通知を送ったとき、送らなかったときより24時間以内の記録が3.9%増えました。

出典 Bidargaddi ほか (2018) JMIR mHealth and uHealth。健康管理アプリの利用者1,255名89日間調べ、利用できる時間帯ごとに通知を送るか送らないかを無作為に決めた試験。通知を送ると、24時間以内にアプリで記録する割合が3.9%高くなりました(リスク比1.039、95%信頼区間1.01〜1.08)。 https://mhealth.jmir.org/2018/11/e10123/

別の飲酒記録アプリの試験では、通知後1時間の起動は増えました。ただし、通知あり・なしで、使わなくなるまでの日数に有意な差は確認されませんでした。通知でその場の起動を増やすことと、長く使い続けてもらうことは同じではありません。

出典 Bell ほか (2023) JMIR mHealth and uHealth。英国の飲酒記録アプリ利用者598名を無作為に分け、そのうち349名には30日間、毎日20時に通知を送るか送らないかを無作為に決めました。通知後1時間の起動確率は3.52倍(95%信頼区間2.91〜4.25)でしたが、3つの通知方針の間で、使わなくなるまでの日数に有意な差はありませんでした。 https://mhealth.jmir.org/2023/1/e38342/
注意 どちらも健康行動アプリの試験で、ランディー利用者を調べたものではありません。短期の起動が増える結果を、すべてのアプリや長期利用へそのまま広げることはできません。

ランディーが避けたい流れ

次の流れが全員に起きると確かめた研究はありません。ここからは、ランディーが設計として作りたくない流れです。

ランディーは「なにもしなかった日」を減らすための道具です。その道具が「できなかった日」を数えはじめたら、目的と手段が逆になります。

催促でしか開かれない道具は、
そのうち開かれなくなります。

代わりにあるもの

ひとつだけ、開き直す入口を作ってあります。カードを引いたのにやらずに画面を離れると、次に開いたときに「さっきのランディー、取ってあります」と表示されます。

この言い方は意図的です。

横には「もういい」というボタンがあります。押せば消えます。捨てる手段を、同じ大きさで置いてあります。

そして取り置きは翌日に自動で消えます。いつまでも残って、じわじわ効いてくることがないようにしました。

これは効果を捨てているということ

正直に書きます。通知を入れないぶん、ランディーは再訪してもらいにくいアプリです。数字の上では明確に不利です。

それでも、思い出したときに開いてもらうほうを選びました。開いた日に、迷わず1回ぶんの行動が始まる——できるのはそこまでです。

ほかに「言わない」と決めた言葉

文言は、機能と同じくらい効きます。だから、使わないと決めた言い方があります。

最後のものは、いわゆるサンクコスト(もったいない気持ち)を使う言い方です。効きますが、使いません。「ここまでやったんだから」で人を動かすのは、追い込むことと同じだからです。

急かさない。責めない。
減らさない。

そのかわり、こちらから約束できることは少ないです。ランディーは、開いた日にしか働きません。それでいいと決めました。

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